香港茶房 龍七彩


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2014年8月、富士市の中野交差点からすぐのところにオープンした本格中華料理店がこちら。「龍七彩(りゅうのにじ)」という印象的な店名は、一度聞いたら忘れられないほど印象的だ。

f-Bizの副センター長でコピーライターでもある杉本剛敏さんからの「インターネット上で検索したとき、同じ名前のお店や企業が出てこないような名前をつけるといい」というアドバイスを得て調べてみたら、国内には他にない名前だった。
今、実際にGoogleで検索をかけてみると、中国語のサイト以外はすべてこちら「龍七彩」に関するページだけが出てくる。それはYahoo!でも同じ。これぞまさしく唯一無二の店名と言えるだろう。
その字面と読みから、雨上がりのスッキリとした青空にかかる七色の虹と、その虹へ向かって天駆ける龍という美しいビジュアルを思い描けば、なんだか楽しい気持ちになる。

オーナーシェフの戸田さんは、東京・原宿にある中華料理の名店を皮切りに、都内の実力店で腕を磨いた。その途中、本場の点心を学ぶため香港へ。帰国後は都内のフカヒレ料理の名店でさらに研鑽した。

「フカヒレ姿煮つゆそば」1680円(税別)は、1日5食限定。コリコリした食感が楽しめる手ビレを使用したそばは、食べ応え十分! ランチの「フカヒレ レディスセット」1500円(税別)も人気
「フカヒレ姿煮つゆそば」1680円(税別)は、1日5食限定。コリコリした食感が楽しめる手ビレを使用したそばは、食べ応え十分! ランチの「フカヒレ レディスセット」1500円(税別)も人気

戸田さんが修行した店の中には、500席以上ある大きな店もあれば、シェフと数人のスタッフで切り盛りするような小さなお店もある。さまざまな形態のお店での仕事を経験するなかで、リーダーシップを発揮しながら何人もの料理人がいる厨房を仕切る料理長になるよりも、仕込みから盛り付けまで調理のすべてを1人で行う個人の店のほうが向いていると気づいた。だから、独立することを見越して、シェフが一人で切り盛りするお店でも働いて、一から十まですべてひとりで作る経験も積んだ。

「龍七彩」は、山形県出身のシェフと、富士市出身の奥さまとで成り立っている。店を始めるならどちらがいい? とそれぞれのふるさとを比べ悩み抜いた末、富士市を選んだ。理由はいろいろあるが、本格的な中華を受け入れてくれそうな予感がある、というのが大きな決め手となった。

ランチタイムの人気メニュー「エビチリ&柔らか玉子焼き」950円(税別)。プリプリのエビの食感が楽しいエビのチリソース煮の下からは、とろける食感の玉子焼きが顔を出す。ソースに絡めて食べると美味
ランチタイムの人気メニュー「エビチリ&柔らか玉子焼き」950円(税別)。プリプリのエビの食感が楽しいエビのチリソース煮の下からは、とろける食感の玉子焼きが顔を出す。ソースに絡めて食べると美味

お店を始めるにあたりまず解決しなければならなかったのは、店舗兼自宅を建てる土地を見つけることだった。来店する人たちの移動手段のほとんどが車であることを考えると、駐車場が必要だ。そのスペースを確保するためにも、100坪以上の土地を探し出さなければならない。東京で働きながらネットで物件を探し目星をつけて現地へ足を運ぶ、という日々が始まった。

奥さまにとっては生まれ育った場所である富士市とはいえ、大人になってからはずっと東京近郊で暮らしてきた。土地勘はあるけれど、それはあくまで大人になる前の視点で培ったものでしかない。“富士市でお店を始める”ということについて、何も情報がない状態だった。
「試しに『富士市 起業支援』をキーワードにインターネットで検索してみたたら、f-Bizが出てきたんです」と奥さま。
お店を始めるのに必要な“何か”を教えてもらえるような予感がして、予約をした。最初に相談したのは、プロジェクトマネージャーの浅井伸也さん。その後、杉本さんへの相談を経て、マーケティングディレクターの中野美保子さんと話をする機会を得た。

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その後、さまざまな良縁が重なり、現在お店のある場所の土地を購入。自宅兼店舗を建築することとなった。

「お店を建てるうえで一番心がけたのは、女性のお客さまが来店しやすい環境にすること。気持ちよく過ごしていただけるよう、お店は白基調にして居心地よい雰囲気を目指しました」
全席禁煙なのは当たり前。トイレは男女別。料理が美味しく見えるライティングを意識した。

奥さまは、中国の国家資格である中国茶の評茶員と茶藝師の有資格者。店内には、中国茶にまつわるアイテムがディスプレイされていて心和む。

中国茶の茶器は見ているだけでも楽しい
中国茶の茶器は見ているだけでも楽しい

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シェフが作る本格中華の味わいと居心地の良さが評判となり、お店の存在が知られるように。予約もコンスタントに入るようになっていった。

お客さまについてお聞きすると、平均年齢は割と高めで、60代以上の人が多いという。
「中野さんのアドバイスで、お店がオープンする前からブログをスタート。その後、Facebookページやホームページを開設しました。20〜40代の方はネットで検索してお見えになりますが、50〜60代の方になると口コミで知ったという方がほとんどですね。実は、当店の電話番号はNTTから取得した電話番号ではないので、104番に問い合わせても番号案内されないんです。『104に聞いたけれど電話番号を教えてくれないのはなんで?』と聞かれることが意外に多くて、ビックリしています」と奥さまが教えてくれた。

中華料理のデザートの定番「なめらか杏仁豆腐」380円(税別)。香港料理ならではの点心やデザートも充実
中華料理のデザートの定番「なめらか杏仁豆腐」380円(税別)。香港料理ならではの点心やデザートも充実
ふわふわと軽い食感がやみつきになる「マンゴープリン」480円(税別)。ココナッツクリームの香りがいいアクセント
ふわふわと軽い食感がやみつきになる「マンゴープリン」480円(税別)。ココナッツクリームの香りがいいアクセント

2015年1月からメンバーズカードをスタートした。取材のためお店にお邪魔した2016年2月中旬までのおよそ1年1か月の間にメンバーとなった方は650名。ひと月平均50名というハイペース!
「メンバーズカードをお持ちの方が、お連れさまに勧めてくださることが多いんです」

味がいいから、サービスがいいから、また行きたくなる。
大切な人と一緒に行きたいお店は、とっておきのお店として身近にいる人に教えたくなる。
そして、シェフと奥さまのやさしく温かな笑顔に会いたくなって、足を運ぶ。
料理が美味しくて、そこにいる人が素敵な「龍七彩」は、たくさんの人に愛されるお店なのだとよくわかるエピソードだ。

龍七彩(りゅうのにじ)
http://ryunoniji.i-ra.jp/