ベルーガ体操教室


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2016年1月11日、富士市役所のすぐ近くにオープンした「ベルーガ体操教室」。こちらは“プレゴールデンエイジ”と呼ばれる3歳〜8歳の子どもたちを対象にした体操教室だ。

こちらを主宰するのは、富士市生まれ、富士市育ちの米山美代子さんだ。「ベルーガ」とは“シロイルカ”のこと。シロイルカがかわいくて、大好きだという米山さん。海をイメージした教室の中には、かわいらしいシロイルカが何頭もいる。

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米山さんが体操を始めたのは、小学4年生のとき。
小学校からのお知らせで、体操教室の試験があることを知った。新体操の選手に憧れてトライしてみたら、みごと合格。ところが、レッスンに何回、何十回通ったところで、リボンもフープも棍棒も、一向に出てこない。
「一体いつから新体操を教えてもらえるのだろう……と思いながらもずっと聞くに聞けなくて(笑)。結局、小学校6年生のときに器械体操のみの教室だということを知りました。でも、私には器械体操が向いていたんでしょうね、通っているうちにすっかりのめり込んでいました」と米山さんは笑う。
体操に没頭する日々を過ごし、あっという間に西日本大会に出場するほど実力ある選手に成長した。いつしか「オリンピックに選手なる」という目標を抱き、それを叶えるべく練習を重ねるようになっていた。
ところが、中学生のとき、そして、高校生のとき、足首の靭帯を切ってしまい、体操を諦めなくてはならなくなった。

今、米山さんは、2人の息子の母である。
かつて米山さんが体操に夢中になったように、米山さんの子どもたちは野球に夢中だ。子どもが小中学生の頃は、練習や試合があるたびに帯同。そこで、自分が子どもの頃とはまるで違う、現在のスポーツ理論に基づいたトレーニングを目の当たりにする。また、練習や試合を見ていくなかで、ケガが多いように感じた。米山さん自身が子どもの頃と、今の子どもたちとは、さまざまな面で大きな違いがあることに気づいた。

このような経験と気づきが、米山さんに、新しい体操との関わり方を示してくれたのだろう。子どもが成長していくにつれ自分自身のために使える時間が増えてきたのを機に、スポーツ少年団で体操のコーチとして活動し始めた。4年間のコーチ経験のなかで一番強く感じていたことは「教えることって、楽しい!」ということだ。

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「できなかったことができるようになったときは『できたね!』『よかったね!』とほめる。そうすると、子どもの表情がガラリと変わるんですよね。できるようになると練習が楽しくなる。こんな風に、ほめられることが子どもの成長につながり、それが結果となって返ってくるのがとにかく嬉しくて楽しくて。子どもたちの健気さ、ひたむきさに、いつも心を打たれていました」と米山さん。
一所懸命に練習する子どもたちの姿を見るのがうれしくて、いつしか自分自身が指導する体操教室を持ちたいという夢を抱くようになった。

体操のレッスンには、トランポリン、跳び箱、マット、平均台、バランスクッションを使用。教室のオープンに合わせ、すべて新しいものを揃えた
体操のレッスンには、トランポリン、跳び箱、マット、平均台、バランスクッションを使用。教室のオープンに合わせ、すべて新しいものを揃えた

f-Bizを初めて訪れたのは、2015年11月のこと。きっかけは、起業に関する補助制度などがないか、富士市役所へ相談しに行ったことだ。
「当初は、市の体育館を借りてのレッスンや、保育園などの施設への出張レッスンを考えていたんです。けれど、体育館には現状空きがなく、保育園や幼稚園にはすでにほかの企業によるレッスンが定着していて、私のような個人が入り込めるような隙がない状態でした。でも、テナントを借りて教室を運営するとなると家賃がかかる分、ハードルが高い。そういう部分をフォローしてくれるような制度がないか聞きに行ったんです。ところが今現在、私に当てはまる制度は全くなくて……落胆する私に市役所の窓口の方がf-Bizのことを教えてくれたんです。f-Bizに行けば、もしかしたらいい情報があるかもしれない、と」

この時点で、起業すること、体操教室をやること、そして、テナントを借りることはすでに決めていた。けれど、決して少なくない金額を投じて事業を始めて、果たして本当に生徒が集まるのか、軌道に乗せることができるのか……起業につきまとうたくさんの不安で、米山さんの心はパンパンにふくれあがっていた。
「f-Bizへ相談に行って、まず私の経歴について話していくなかで、センター長である小出さんの娘さんが、子どもの頃私が通っていたのと同じ体操教室に通っていたとわかったんです。些細なことかもしれませんが、私にはとても心強く感じられた。全くの偶然ですけれど、これから始めようとしている“体操”で繋がることができたんですから」

実際に起業へ向けて準備してくなかで、ITアドバイザーの塚本さんのアドバイスが大いに役立ったそうだ。フェイスブックやライン、イーラパークでのブログ開設などを実施。体験レッスンには、イーラパークのページを見て参加した生徒さんもいたそうだ。

子どもとの対話は、同じ目線の高さで。上手にできれば元気よくハイタッチ。失敗してしまったら「こうするといいよ、もう1回!」と笑顔で促す
子どもとの対話は、同じ目線の高さで。上手にできれば元気よくハイタッチ。失敗してしまったら「こうするといいよ、もう1回!」と笑顔で促す

「ベルーガ体操教室」のプログラムは、現在、1レッスン60分。1クラス最大6名という少人数制だから、1人1人に対する指導はとてもきめ細やかだ。最大の特徴は、レッスンの前半に体幹を鍛えるプログラムを積極的に取り入れていることだ。

体幹トレーニングには、バランスクッションを取り入れて
体幹トレーニングには、バランスクッションを取り入れて

「f-Bizでいただいた『体幹トレーニングを取り入れてみたら?』というアドバイスにハッとしました。子どもの野球の練習を見続けてきて、脚力や瞬発力を伸ばすためには体幹を鍛えることがとても大切だってずっと思っていたのに、体操教室でやろうとは考えてもいなかった。レッスンに体幹トレーニングを取り入れることに気づかせてくれたのは、とても大きかったです」
そこで、体幹トレーニングを自ら実践しプログラムを考案。60分のレッスンの最初の20分ほどを使って、体幹トレーニングを取り入れることにした。

壁には体幹トレーニングの順番を示した写真が貼られていて、わかりやすい
壁には体幹トレーニングの順番を示した写真が貼られていて、わかりやすい

「実際に自分がやってみると、決してしんどいトレーニングじゃないのに短期間で体がグッと締まってきたのにビックリ! 体幹トレーニングの凄さを身をもって痛感しました。大人にこそぜひやってほしい!」
ほかの体操教室にはないレッスンを、と考案した体幹トレーニングが、「いつかは大人向けのレッスンを」と思うきっかけにとなった。次の目標があってこそ、人は頑張れるもの。始まったばかりの体操教室だが、夢は広がる。

ベルーガ体操教室
http://beluga.i-ra.jp/