KICHI TO NARU KITCHEN


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KICHI TO NARU KITCHEN」という珍しい店名は、一度聞いたら忘れられない。KICHITONARU〜キチトナル〜<吉となる>が語源である。

こちらは、富士市高嶺町にあるワイン食堂。

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こだわりの有機野菜と地元産の採れたて野菜をふんだんに使った料理とワインを楽しめる店である。

こちらのオーナーである、吉村直也さん。……あ、ここにも、あった! “吉”の文字。いただいた名刺には「あなたが、吉となりますように」とある。持っているだけでいいことありそう。思わずにっこりしてしまう。

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吉村さんの現在の夢は「三世代で来てもらえるお店にすること」。
今来てくださっているお客さまはもちろん、もっと幅広い方にそのためにはどうしたらいいだろうか。そんな思いをきっかけにf-Bizへ相談に訪れたのは、2015年秋のこと。そこで出会ったのが“食のマーケティングコンサルタント”として活動する、管理栄養士の中野ヤスコさんだ。

美味しいものを作るには、手間も時間もかかるもの。もちろん、どちらも惜しみたくないし、惜しまずに毎日料理を作っている。実は、レストランの日々の仕事は膨大で、作りたいと思っていてもなかなか新メニューの開発にまで手が回らないのが実情だ。だからこそ、「キチトナル キッチン」にとって、新メニューの開発は懸案事項であった。

また、実は同店では、以前から、受験生を応援するサービスを実施していた。

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志望校に合格するため日夜頑張って勉強している学生たち。寸暇を惜しむ気持ちはわかるけれど、せめて食事のときくらいはリラックスして楽しんでほしい。ゲンを担ぐわけではないけれど、“吉となる”お店で美味しい料理を食べて英気を養い、合格のお祝いにまた来店してくれたら、自分たちにとってこんなに幸せなことはないとも思う。「キチトナル キッチン」で受験生を応援するのはどうすればいいのか? と考えていた。

f-Bizに相談に訪れたのは、2015年秋のこと。ここで、管理栄養士の中野ヤスコさんと出会った。「中野さんのように、秀でたものをお持ちの方と新商品の開発ができるのは、非常に魅力的でした」と吉村さん。二人三脚で、受験生を応援する新メニューを開発していくことになった。

開発コンセプトとして真っ先に挙がったのは、「KICHITONARU KITCHEN」の看板メニューである「焼きカレー」をアレンジすること、スタッフの負担にならないよう、普段通りに営業しながら作れるレシピにすること、など。
けして気負わず、肩肘張らず、普段と変わらずお店を運営しながら作れる、美味しくてユニークなメニューを作れたら。そんな気持ちを原点に、新メニュー開発に取り掛かった。

アスリートの栄養管理も行っている中野さん。3か月に1度のペースで渡米しているそう。そこで出会うのは、まだ日本で話題になっていない食品や見たことのない料理たちだ。

「中野さんがアメリカで出合ったブレッドボールを教えてくれたんです」
ブレッドボールとは、サンフランシスコにあるパン屋さんが発祥と言われている料理。丸いパンの中身をくり抜いて、スープや煮込み料理を入れたり、野菜やチーズなどさまざまな具を詰め、オーブンで焼いたら完成する。器になっているパンをちぎって、中の具と一緒に食べ進めていく。

こうして完成したのが「焼きカレーブレッドボール」。野菜たっぷりで、食べ応えがある。

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ブレッドボールのなかには「KICHITONARU KITCHEN」の看板メニューの「焼きカレー」がぎゅっと詰まっている。これなら、テイクアウトしておうちで食べることもできる。

中央にあるのは、サバだ。
サバには脳を元気にすると言われているDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれている。栄養バランスもよく、食べやすい。受験生にぜひ食べてもらいたいメニューである。
とはいえ「パンにサバ?」と一瞬驚かされる。
そして、食べてみてさらにビックリ!
サバの風味がカレーやチーズとよく合い、気づけば完食。300kcalとは思えないほどボリュームもある。

このメニューが、地域に密着した新聞やラジオで話題になった途端、テイクアウトしに来店する方、受験生の息子さんと一緒に家族で食事をしにいらした方などが現れ、反響があったそうだ。

一緒に開発した新しいメニューが、今までこの店を知らなかった人にその存在を知ってもらうきっかけになったのは「地域のさまざまな人に大切にされる店」へなるための第一歩。反響があったというのは、まさしく吉報である。

KICHI TO NARU KITCHEN
http://www.kichitonaru.com/
富士高嶺店(静岡県富士市高嶺町11-9)はこちら