オレンジポット


_dsc3950

富士市のほか、駿東郡清水町、富士宮市に4店舗クレープショップを展開する「オレンジポット」。代表を務めるのは、鈴木康弘さんである。富士駅前にある富士本店からすぐのところにスポーツジムがあり、徒歩7分のところには中高一貫校がある。

富士本店は、富士駅北口から徒歩1分の場所にある
富士本店は、富士駅北口から徒歩1分の場所にある

「オレンジポット」の営業時間は10時〜21時。閉店間際、部活帰りでおなかを空かせた高校生が「やっていて、よかった!」と滑り込んでくることもあるそう。地元の高校に通いスポーツに勤しむ学生たちの胃袋を支えるお店でもあるのだ。
メニューのなかには、ツナやポテトサラダ、ソーセージなどと、食感が楽しい新鮮なレタスやシャキシャキキャベツを使った食事に近いクレープもある。でも、クレープを聞いて真っ先に思い浮かぶのは、フルーツにたっぷりのホイップクリームをもちもちのクレープ生地でラッピングしたものではないだろうか。
クレープ=スイーツ。
甘くて美味しくて、食べれば幸せな気持ちになるけれど、ダイエットをしていたり、体を鍛えている人には敬遠されがちな食べ物であるのは否めない。

「クレープといえば、甘い。だから、スポーツをする人やダイエット中の人は食べないイメージを持っていました。でも、僕には、もっといろんな人に食べて欲しいという気持ちがあるんです。そういった人たちにも食べてもらえるような新メニューを開発したいと思っていました」と鈴木さんは語る。

以前、イベントに出店したときのこと。
80歳を超えているであろうおじいさんが、鈴木さんに声をかけてきた。
「クレープというものを今日初めて食べた。こんなに美味しいものがあることを今日知ることができて本当によかった」
と鈴木さんに声をかけてきた。その言葉がとても嬉しくて、今も忘れられないし、日々の励みになっている。
そのときの感激した気持ちが、今回の新メニュー開発へと繋がっているのだ。

_dsc3974

「鈴木さんは、地域に暮らす子供たちを思う気持ちがすごく強いんです。その気持ちに応えたくて、今回の新メニュー開発のお話をお引き受けしました」と話すのは、今回の新メニュー開発の伴奏者である中野ヤスコさんだ。

食のマーケティングコンサルタントである中野さんは、スポーツ選手を“食”でサポートする管理栄養士・スポーツ栄養士でもある。
鈴木さんと中野さんとのミーティングでは、体づくりについて議論。鈴木さんが地域の子供たちを思う気持ちを汲み、地域を大切に思う気持ちに大いに共感しながら、新メニューを提案した。
新たなオペレーションを作ることなく、今までと変わらぬ手順で作れることを意識。
まずは「誰が食べるのか」を想像。地域に暮らすスポーツを楽しむ人びとが、美味しく、楽しみながら食べられることをコンセプトに、ボリュームがあっておなかいっぱいになりつつ、食事と食事の間に食べるおやつとして食べるのにピッタリなものを考えた。

こうして完成したクレープがこちら。アスリートクレープ「サラダチキンのざく切りレモンソース」500円。4月10日から提供をスタート
こうして完成したクレープがこちら。アスリートクレープ「サラダチキンのざく切りレモンソース」500円。4月10日から提供をスタート

メイン食材は、高たんぱく低脂肪で今話題の“サラダチキン”だ。鶏むね肉を低温でじっくり加熱し、塩だけで味つけられたサラダチキンは、鶏むね肉とは思えないほどしっとりとした食感が魅力。そこに「オレンジポット」の人気メニューであるポテトサラダを組み合わせた。
鈴木さんが研究・開発した「オレンジポット」オリジナルのクレープ生地はもともと砂糖控えめで、食材との相性がいいのも魅力だ。

_dsc3968

レタス、シャキシャキキャベツといったグリーンの野菜とポテトサラダ。主役のサラダチキンを一つにまとめ上げるのが、フレッシュレモンを丸ごと使ったオリジナルの“ざく切りレモンソース”だ。爽やかな酸味がアクセントとなり、さっぱりと食べられる。

また、健全な食生活の実現を目的として策定された「食生活指針」を具体的に行動に結びつけるものとして、厚労省と農水省が決定した「食事バランスガイド」のすべてを満たしている。

農林水産省「食事バランスガイド」より
農林水産省「食事バランスガイド」より

黄色は主食で、クレープ生地に使われている小麦粉や、ポテトサラダのジャガイモ。
緑は副菜。野菜としてレタスやキャベツ、玉ネギ、ニンジンなど。
赤は主菜。鶏胸肉や、クレープ生地に使われている卵がそう。
紫は乳製品。チーズとクレープ生地に使用している牛乳。
青は果実。これは味のまとめ役であるレモン。
これだけたくさんの食材がぎゅっと詰まって、一食の熱量は361kcal。まさしく“今日のトレーニングを無駄にしない”一品となった。

「『オレンジポット』の既存のお客さまとは違う層を想定しながらの提案は、将来性と話題性を兼備していてとても面白く、ワクワク感がありました」と中野さん。
視点を変えた新メニュー開発は、新たな顧客の開拓に繋がる可能性を秘めている。
ターゲットではない人たちがターゲットになる、の好事例と言えるのではないだろうか。

オレンジポット富士本店 http://orangepot.i-ra.jp/